留学の後片付け・ドイツ

1月末から15日ほどベルリンに行っておりました。

先ほど帰ってきて、また日本での生活に頭を切り替えたところです。移動に慣れているとはいえ、帰ってすぐ、もしくは移動中には、『これから何が起こるんだっけな』と、頭の整理が必要です。

結婚して以来移動続きの3年でしたが、今回をもってドイツに行くのは、随分少なくなるかなと思っています。(今後渡航の予定は随分先です)

ハノーファーの大学院の除籍届け提出し、卒業証明書ももらい、色々な手続きを済ませました。留学始めた頃に苦労した諸々の手続き。入居届け、銀行口座の開設、ビザの取得、学校の手続き。携帯や家の契約。申し込みをした時はあれだけ大変だったのに終わるのは、(それぞれの場所に巡るのは大変だったけれど)呆気なく終わっちゃうんだなと思うと、少し寂しかったです。

ベルリンでのコンサート

2月2日土曜日には、Tempelhof自由教会Gemeinde の方で、

2月3日日曜日にはToyo Global Service GmbH事務所でハウスコンサートさせて頂きました。

お別れコンサートと名付けようと教会の方では提案があったのですが、寂しい気持ちから、それはできず。トリオコンサートと名付け、ピアニスト梅村知世ちゃんと、スペイン出身のクラリネット奏者Hugo Rodriguez と一緒に、ヴィオラ主役の室内楽コンサートです。

ヴィオラ主役だし、(主役という立場に慣れてない私は)付き合ってもらうのも申し訳ないな~。。と思っていたのですが。といっても実際はピアニストがヴィオラの何倍もの声部を担当するので、ピアニストはもっと大変。そんな思いはよそに、良い演奏会にしたいという純粋な気持ちを二人とも持ってきてくれて、リハーサルの時から、勉強するんだという意欲と、楽譜から色んな意味を様々な角度から汲み取って。3人で試しながら演奏するのはすごく楽しい時間でした。とにかく弾くのが「超楽しい!」と弾いてくれた知世ちゃんとHugo には感謝です。二人が持つ素敵なエッセンスも存分に頂きました。

中には私が一年ほど取り組んでた曲もあったのですが、奏者の化学反応によって、埋もれてたものを新たに発見し、それが周りの景色をガラッと変えるものだったり。永遠に勉強できるんだなと改めて「名曲」の素晴らしさも感じました。


結局私は9年ほどドイツにいたことになったのですが、そのうちベルリンには6年半住みました。気づかないうちに、色んな方に助けて頂いて、そのすべてのコネクションが私を幸せにしてくれていました。今回弾かせていただいた二つの場所は、私が特にお世話になった場所でした。

クリスティアーネ、私、美香子さん
クリスティアーネが大切だという赤い花のイヤリングをくれました。前回にベルリンで弾いたときのドレスにぴったりだからだと! うれしかったです。

ベルリンの家庭集会 美香子さん。ベルリンで聖書を勉強したいと思ったのが最初で、この会に参加するようになりました。日本語で、たまに日本食も食べながら。私はバッハが子供の頃からすごく好きで、でも演奏するとなると技巧的にも音楽的にも全く手が届かないところにあると感じていました。その上出会ったのがマタイ受難曲。理解するのは大変!結局まだまだ勉強不足ですが、ここで分かち合った時間、皆が聖書について考えたり、これまでにあったトラブルや最近あった嬉しいことを報告し合って、祈りを捧げる時は、私をすごく癒してくれました。  教会にも音楽家が多いので、音楽会をやろう!となったのが始まりで、ここでは4、5回ほど皆さんに聴いていただきました。

竹谷さんご夫妻と出演者たち

竹谷さんご夫婦。芸術家を応援されていて、私はベルリンに越して間も無くクァルテット・ベルリン・トウキョウの演奏を彼らの元に聞きに行ったのが最初の出会いでした。その後日本でのリサイタルの前に、ベルリンで一度弾かせて頂く機会もくださったり、あらゆるところで助けていただきました。(今回のプログラムも、日本で3月に演奏するものです。)

2月3日に弾いたこのコンサートは、彼らがハウスコンサートを提供するコンサートの実に160回目だったそうです。 事務所にグランドピアノが置いてあり、絵画も飾ってあり、そこは芸術で溢れている。事務所を160回少なくとも公開し、コンサート用のセッティングにし、その都度色んな人を招待し、プログラムの添削(ドイツ語)印刷までしてくださいました。。私たちがなかなか音楽をやりながら出来ないことを、手助けしてくださっています。

どれだけの時間を費やしてくださっているのか。。

美香子さんや、竹谷さんご夫婦がしてらっしゃるような「助け」を、私もいつか人に返せたらと、思っています。 

音楽家は本当に大変ねって、理解してくれる方が多く、一見報われない努力を精一杯応援してくれる人がいるから、頑張ってこれました。こんな私の小さな成長も喜んでくれて、うまくいかなかった時も、気持ちと時間を共有してくれて。

そういう応援は音楽家にとってどれだけ大事なものか身に染みて感じた ドイツ生活でした。

お世話になった方には感謝しきれません。 

今後とも、ずっと関わらせてください。どうぞよろしくお願い致します。

おまけ

日曜日のコンサートには ヴァイオリニストの日下紗矢子さんが応援に駆けつけてくださいました。久々に演奏を聴いていただいたので、とても緊張しました!! 

日下さんと私が出会ったのは、日下さんがちょうど大学四年の頃にシベリウスコンクール、パガニーニコンクール、日本音コンなど立て続けにコンクール優勝、最高位入賞されたその年に、田渕洋子 先生門下生発表会で初めて演奏を聴いた時。忘れもしない、自分は中学2年でした。 

パガニーニをびっくりするくらい、綺麗で、美しく艶やかな演奏をしてらっしゃって、衝撃を受けたのを今も覚えています。当時、門下生発表会なのにアンコールも弾いてくださった。その何年か後、京都アルティホールでのリサイタルに行き、、そのリサイタルはその前にも後にも、私が聴いたどのライブのリサイタルより、「凄い」ものでした。それ以来ずっと、世界で一番好きなヴァイオリニストと聞かれては迷わず「日下さん」って答えるほど、ファンになり。今や私が言わずとも、名実ともに世界の舞台で活躍されていますが、今もやさしい気持ちで色んな演奏家の相談に乗ってくださる、お人柄も尊敬するヴァイオリニストです。ドイツに来て、色んな世界の演奏家を聞きましたが、日下さんの放つ美しい独特の世界は、中学の時に受けた衝撃から変わりなく、ベルリンでコンマスをされる姿を見たり、リサイタルや室内楽オケを引っ張る彼女の姿を見るたび、尊敬と憧れる気持ちがフツフツ♪世界一の好きなヴァイオリニストのポジションはこれからも変わりそうにありません。

そんな人にアドバイスもらえる私はなんと幸せなんだと。また精進していきたいと思っています!

私は、自分の「自信」をつけるのは本当に大変で、自信がないこと、自分を信じられなくなことが、時にすごく嫌になるのですが、周りにいる人たちが、何よりの自分の誇りで。尊敬できる人が周りにたくさんいるのは本当にありがたいことだと思います。

2019年初めてのブログでした

新年明けて以来、コンサートがあったり、夫の門下発表会があったり、こっそり受けていたオーディションがあったり、ドイツ滞在が決まっていたりと、ブログをなかなか更新できませんでした。2019年も気の向くままに、時間のある時には一生懸命!ここでお知らせさせて頂きたく思いますので、どうぞ今年もよろしくお願い致します♪

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