ヴァイオリンとヴィオラ
こんにちは、ヴィオリストの朴梨恵です♪
私のことを前から知ってくださっている方は、ヴァイオリン?ヴィオラ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ここ4年で実は私の活動は、がらっと変わったので、改めてお知らせさせていただきます。
ハノーファーの大学院をこの夏、ヴィオラで卒業して以来、じわじわ ヴィオリストとして活動しております。
28歳まで真剣に ヴァイオリンも弾き、2014年には 京都でヴァイオリン リサイタル も開催したり。。ドイツでも日本でもヴァイオリニスト としても活動していたので、今もヴァイオリンは弾いております。
ヴィオラ奏者の大半は 元ヴァイオリン奏者であることが多いので、なんら珍しい事ではないのですが、28歳からドイツの大学院に入り直して、ヴィオラを勉強し、ヴィオリストとしても活動しよう!というのは なかなか他にない人生設計になったなと思います。
ヴィオラを勉強しようと思った一番の理由
私自身、室内楽をしようという時、いつもヴィオリストがいないと困っていました。隣にいた夫もいつもヴィオリストを確保するのに苦労していました。
と、同時にその時弾いていた室内楽のパートナーが、皆とってもいい音で、私をヴィオラに惚れさせた要因でもあります。ヴァイオリン弾きながら、ヴィオラ見て、私もそっち弾きたいわ~って思うことが多々。
そう、ヴィオリストが見つからないなら、私が弾こう。思い立ちました。大学時代副科でヴィオラを履修していたので、弾けるには弾けるけれど、ヴィオラのレパートリーは皆無といっていい。。どうせなら、ドイツは中低音のレベルが特に高いし、ドイツのヴィオラの響きにもあこがれていたこともあり、ドイツで勉強することを決意。
28歳で大学院をもう一度受験 その時の裏話
ヴィオラもヴィオラの弓ももっていないのに、受験だけはすると決めて、願書を提出。いつも考えるより先に行動しているわたし。。
まずは楽器屋さんにレンタル・ヴィオラを借りて、受験曲を決めて、練習。今までほとんど聴いたことない曲を弾くのは、とても楽しい作業でした。楽器もいつかは必要だから、とにかく良いと噂の聞いた楽器屋にはドイツ中、どこへでも行きました。
ある程度曲を読めたら、当時のベルリンのヴァイオリンの先生、アクセル・ゲハード先生(元ベルリンフィルの2nd副首席奏者)に助けを求めてレッスンを受けました。
先生「りえ、ちょっと待って。その弓、なに?」
わたし「これヴァイオリンの弓です。今はちょっと買えなくて。。」
どこの楽器屋も、楽器のレンタルはあっても、弓はレンタルさせてくれなかった。 壊れる可能性も楽器より高く、レンタルしてないところが多いのです。借りたヴィオラにヴァイオリンの弓で練習していました。
先生 にやっと笑って、どこかへ電話「hello, hier ist Axel. Ich habe gerade eine Studentin die Bratsche studieren will. Sie war ehemalige meine geigen Student und sie brauchen eine BRATSCHEN BOGEN! Haben Sie Moment etwas fuer sie?」ほにゃららほにゃらら☎
「りえ、明日あそこへ行きなさい。弓を貸してくれるって」
小児科の先生が趣味で楽器と弓をコレクターされてて、それを若い音楽家に無償で貸しているとのこと。
見ず知らずの私に、快く弓を貸してくれたドクター・ハウバーさんがこちら。(この後彼は私に楽器も与えてくれました)
有難いことにドイツは個人で文化をサポートされてる方が本当にたくさんいらっしゃって、そういう方々に、私や音楽家は皆、お世話になりっぱなしです。
さて、最強の武器、ヴィオラの弓を手に入れた私はますます気合いも入り、無事ハノーファー音楽大学院をヴィオラで合格したのでした。(大学、院と合わせて80人以上受けにきてたそう。合格したのはこの時5人。多分受かったのも何かの運命だったんだと思います。)
ヴァイオリンとヴィオラ
ヴァイオリンは弦楽器の中で一番高い音が出て、
その次にヴィオラ、チェロ、コントラバスと、大きくなればなるほど、音は低くなります。
というのはよく聞く説明でしょうか。
実は音楽高校や音楽大学でヴィオラを専攻する人が圧倒的に少なく、ヴァイオリンの学生のうち、体の大きい子や、ちょっと遅い感じのテンポの子は、ヴィオラを弾いてと頼まれ、学校から楽器と弓、それにケースセットでを与えられるという事はよくあります。もちろん、在学中だけです😃(楽器を買わずに、弾いて良いと言われるので、とてもラッキーです)
音楽大学では 副科として 選択できるシステムもあります。
ヴァイオリンとヴィオラの本質的な違いは?
以前聞かれた事があり、
ずっと考えてるんです。
何かいい答えがある方、ご教示ください。
私が今のところ思っているのは、
同じように見えて、響きは全然違う。
担う役割が違う。
ヴィオラを勉強し始めて、特に苦労しているのは、
ザ・ヴィオラらしい音を出す事
音楽の運び方
の2つです。自分の中で本質的に違うなと思うところで、引き続き修行が必要と感じているようです。
ヴァイオリンを弾けるのだから ヴィオラはきっと簡単に弾けるだろう、と思っていたのは 以前の私。
ヴィオリストの皆様すみません。
いまは、ヴィオリストへの尊敬は募る一方です。
長くなってしまいました。
私がヴィオリストとして活動するにいたった件。でした。
また書きます!