ベルリン コミッシェ オペラ 歌劇場

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私がドイツで9年過ごしたその経験の中で、一番大きな影響を与えたと言っても過言ではないのが、このコミッシェ オペラで弾いた経験だと思います。

オーケストラピットからみた景色

2011年から1年、アカデミー生をして以来、ドイツ生活の私の生活費を支え(!)、音楽的欲求を満たしてくれ、沢山の有難い経験を与えてくれた大切な存在でした。

ドイツのオーケストラ、オペラには研修生、アカデミー制度があって、オーディションに受かれば実際一年間メンバーと一緒に演奏できる機会を与えられます。私はその期間の後も足りないパートがあれば呼ばれる助っ人弾きとして、タイミングが合うところで、かれこれ7年弾きました。

今まで弾いたオペラを思い返すと、

リゴレットやトラヴィアータ(ヴェルディ)、王宮からの逃走や魔笛、皇帝ティートの慈悲(モーツァルト)、薔薇の騎士やサロメ(R.シュトラウス)、女狐(ヤナーチェク)、魔弾の射手(ウェーバー)、こうもり(シュトラウス)、カルメン(ビゼー)、マイスタージンガー(ワーグナー)、ルサルカ(ドボルザーク)、3つのオレンジの恋(プロコフィエフ)

等々、、思い出が濃いものだけでもこれだけあります。写真は残ってないものが多いので、残念なのですが、シンフォニーコンサートでは、様々なソリストの方の後ろで弾かせて頂きました。

パトリシア・コパチンスカヤ 面白い演奏だったな~大げさすぎるほどの表現。目からうろこだった。

R.strauss この後ろ姿は、、!!! はい、ミッシャマイスキーさん。一緒に写真とってとは言えなかったな~。すごい、迫力の、味のある、ドンキショットでした、

バルトークの弦楽器と打楽器、チェレスタの為の曲。集中力がすごく必要で、でもこの独特の音楽に浸れたことが、最高でした。

以前、アルブレヒト・マイヤーの後ろで弾いた思い出も、つづりましたので、よければ読んでください♪それぞれ弾いた思い出が蘇って来て、書くだけで幸せな気分になりました。

近年の コミッシェオペラ、モーツァルト 「魔笛」の売れ行きぶりは凄まじく、海外ツアーにも参加したので、魔笛を一番数多く弾きました。 

これはロシア・モスクワツアーに一緒に行かせていただいたときの。

歌と合わせることの楽しさ、音と言葉と意味が一緒になって動くのはオペラならでは。

舞台下に入って(オーケストラピット)弾くモグラ的感覚。等々。

彼らから習った 音楽を一生楽しむための秘訣

オペラ弾きって毎日違う本番があって本当に大変なんです。午前と午後で違うものをリハして本番なんて日常茶飯事。練習時間の確保も大変です。

皆がそんな中どうやって優雅な音楽生活を送っていたのか。私なりに学んだことはこちら。

①スコア(全てのパートが記される楽譜)を買うのはトップ奏者の仕事。 

 これは語弊がありそうなので書き加えますが。ドイツはトップ奏者は特別契約である場合が多く、その分のお給料をもらってるのだから、それを買うのは彼らの仕事。ということでした。私が一度スコアを持って行った時はみんな目を丸くして驚いてました。オペラのスコアは、下手すればスーツケースが必要なくらい重いもので、劇場でスコアを見るのは指揮者だけ。皆、曲を習い慣れてきたら 見事に耳であわせます。

②みんなで合ってるように聞こえるように 適当に効果的に弾く。

 ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスなど、完璧に弾くのは無理に等しい。そこで、「どう上手く聞こえるように弾くか」を、結構なスキルを使って皆さん弾いてらっしゃったように思います。それぞれが不完全でも、皆で一つのパッセージを見事に作り上げる。

③単純に「悲しい」のか「喜び」なのか表現する。

悲しい、喜びという言葉を例に挙げましたが、ポジティブな感情、ネガティヴな感情と言った方がもっとザックリでしょうか。様々な表現の方法があるけれど、単純な表現も重要だと学びました。例えばそれがオペラだと「怒った人」と「なだめる人」みたいな会話に音楽をつけてる事があるんです。または「嘆き悲しむ人」と「そんなことどうでもいいじゃないかと」いう合戦とか。 ただ、それだけなんです。表現が単純であればあるほどお客さんに伝わるの、分かりますよね。

④弓の位置など、少々違ってもいい!!

 先弓、元弓などある程度のところは揃えるし、特別な音色が欲しいところは 指揮者が特別に指示したり、コンマスが決めて楽譜に書き込んでいますが、そのほかはそれぞれのテクニックは違うし、ご自由にどうぞ。そんな感じでした。

⑤周りの人に「合わせ」すぎない。

これも語弊がありそうなので追記です。弓の位置の話ともかぶります。 私はドイツのオーケストラで弾くまで、隣や周りに合わせようとし過ぎていました。合わせることはある程度必要ですが、それよりも自分から出てくるものを思い切り出して、それが自然と周りとぴったり合うことの方が求められてる。 研修当初、隣で弾いたある人に言われた事があります。「僕、間違う事よくあるから、そんな繊細に合わせなくていいからね」。 この方とはなんども隣で弾き、その後「(隣で弾いて)弾いていてすごく心地いいよ」と言ってくれた。誰にも褒められないので、書きますが、私は隣で弾きやすい、と言われたことが何度もあり、それは私の中ですごく小さな誇りと自信になりました。

下っ端の私を、素直に褒めてくれるのは、本当に良いところだな。

色んな事があったドイツ生活だなと改めて思います。

ドイツでの生活から日本へ

実は留学した当初は周りのみんなに2年で帰りますと、宣言してました。それが気付けば9年。

結局ずるずると長居をしましたがその中でかけがえのない出会いがたくさんありました。そうでなくては得れない経験ばかりだったと思います。

年末10日ほどドイツにいたのですが、久しぶりに会えた人がいたり、また新たな出会いもあったり。

無限に出会う出来事、人々に感謝ばかりです。

2018年

今年夏からブログを始めまして、半年ほど経ちました。 今年最後のブログがコミッシェ・オペラについて書くことになるとは思ってなかったのですが、私の人生を豊かにしてくれた経験の一つだったので、いま、振り返る時だったんだなと納得しています。

ブログを見てくださった方々、本当にありがとうございます。 

来年も地道に、沢山のことを吸収して行きたいと思っています。2019年は帰国の節目として沢山のコンサートを企画しています。そして様々なところに出演致します。

生まれ育った日本で、音楽出来る機会があることが今とても幸せで、その機会の為に、これから出会う音楽の為に、もっともっと成長しなければと思っています。

今後も応援してくださったら幸いです。

来年、皆様にとって良い年になりますように。

2017年コミッシェ・オペラのパリツアーにご一緒させていただいたときに、公園でとった写真。
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