辻本玲さん、中恵菜さんにインタビュー!

Special Chamber Concert vol.6 京都公演でご一緒する辻本玲さん、中恵菜さん。

実はお二人はご夫婦です! ご存知でしたか?また、中恵菜さんは京都ご出身、辻本玲さんは大阪育ち。 めちゃくちゃ関西所縁のあるお二人なのです♪

この度、ご一緒させていただけることになり、とても楽しみにしておりました。

お二方にお話をお伺いさせていただきました! 

-2021年2月17日-   公開が遅くなりたいへん申し訳ありません・・

辻本玲さんの子供時代のお話し

 まずは辻本玲さんへ、子供の頃のお話を伺いました。以前玲さんがSNSでシェアされていたのですが、玲さんが子供の頃にアメリカで公開レッスンを受けられていた動画がyoutubeにあがっています…小さいながらに真剣な目で、ものすごくしっかりと音楽していた姿勢が印象的で。

辻本「あれは何歳やったんかな? (恵菜さんに聞いていらっしゃる さぁ?と恵菜さん。笑)

7歳でチェロを初めて、11歳で日本に帰国したから、恐らくあの動画は10歳とか、それくらい。リン・ハレルとコール先生がボーイングテクニックについて話すワークショップみたいなん、してて。その中で、若い子でも教育をすればきちんとしたボーイングができます、という見本の生徒みたいな感じで、出演してん。」

辻本玲さんは、アメリカで11歳まで過ごされたのち、大阪に帰ってきたそうです。

 この動画のとき、コール先生の元で勉強していたとのこと。

 チェロをされている方のみならず、弦楽器奏者の方にとって、こちらの動画とても興味深いものです。私もちょっとこれを見て研究したことがあります。

 辻本さんが出てくるのは、25:39より。先生がピアノを共演されるんですが、そのピアノも説得力があって、とても良い。

チェロ奏者になるきっかけ

朴「この幼い時から、ある種の気迫を感じるのですが、この時から、すでにチェリストになろう、なりたいっていう気持ちはあったんですか?」

辻本「最初、ヨーヨー・マがチャイコフスキーのロココ主題の変奏曲を弾いているのを見て。それが、もうカッコ良すぎてそれになりたいって。深く考えていた訳ではないけれど、そういう感じになりたい。そう思ってた。 それはチャイコフスキーのガラ・コンサートで、確かロシアでやっていたものがアメリカで放映されたものだったのだけど、こう…弾きながらウィンクするところがあって。それ、ちゃんとカメラが捉えていて…それがね、むちゃくちゃにカッコいいの。」

朴「そんな出会いがあったとは、知らなかった~!!その映像から、そういう風になりたいという気持ちが芽生えて、毎日、一生懸命練習することになったんですか?」

辻本「小さい頃は練習がとても好き、な方ではなかった。親に…強引に…させられて…ていうか(小さい声で何やら、ごにょごにょおっしゃっていましたが聞き取れませんでした)」

朴「ということはお母様、いつも練習に付き添われたんですね。苦労もある二人三脚ですよね。」

辻本「そう、結構厳しかったです。」

その後アメリカから日本に帰国して、日本の講習会に参加し、植村やいろんな音楽仲間と出会うんですよね。

辻本「高校は大阪の公立高校、進学校に通って、その後、東京藝術大学に4年。その後フィンランドに2年半留学することになったかな。」

いかに要領よくお勉強がよくできたかも、少し話されていました。 確かに、進学校にいきながら、チェロを極めるって結構大変だと思うのですが、辻本さんなりに楽しみながらやってたそうです。

留学生活と練習

朴「そうそう、玲さんの留学生活について、あまり話を聞いたことがなかったので、どんな風だったかなと思っていたんです。その後スイスにも行かれていますよね。何か、思い出に強く残っていること、例えば、今のチェロ人生にこのことが生かされている、などのエピソードありますか?」

辻本「アルト・ノラス(フィンランド時代)の初めてのレッスンの時に、チャイコフスキーのロココ弾いて。(玲さんがチェロを始めるきっかけになった曲ですね)普通に、弾いてたのよ。別に普通に。そしたら

『そんな感じで感じで僕の前で弾かないで。No Friends 』

って言われたのよ。 時間もったいないから、誰とも話さないでって。友達作らず、練習ばっかりしろ。と…

はい!!! とその後はものすごく練習してた。死ぬほど練習した!」

朴「No friends… ヨーロッパでは本当にいろんな先生がいる。」

辻本「ノラス先生自身が、すごい練習するのよ。もうすごくて(左手動かして見せています)。

バリバリ!!!!!!! 

ってどんな曲でも弾ける。今70歳後半やから、その当時でも60歳は過ぎてたはずなんやけど…レッスンで弾いてくれるものが、もう!  

バリバリバリ~!!! で、すごいドヤ顔でさ。」

朴「ほらね、これみたいにね。っていう感じですね。言葉は要らない感じですね。」

辻本「とりあえず練習をしろ、と。人生で一番練習をしたんじゃないかな、そのフィンランドの時期が。その2年が終わる時に、ちょうどカサドのコンクールがあって。日本で開催されるということもあって、プレッシャーが半端なくあった。だからもう、最後までめちゃくちゃ練習したし、出来上がりは結構、すごいことになってたと思う。」

朴「それは、どういう練習を積んだんですか??」

辻本「フィンランド時代はすごく時間があったから、(留学中って本当に時間が与えられるんですよね)例えばバッハ。録音して、それを自分で聴いて。『すごい音程が悪い』って思って、一週間練習をしたのよ。

よし、と。一週間後、録音をしたらまた、『え、すごい音程悪い』と。

一週間もさらったのによ。で、ゆっくり弾いたその練習を録音してみたら、練習がもう、ずれてると。音程が。ということは、上手になるわけない、ということに気付いて。最終的には、一音一音録音して、聴いてっていうことを続けた。

 レー 聴く レー 聴く。 ファー 聴く ファー 聴く。  …」

朴「すごい…忍耐もやし、頭も使うわ…」

中「でも一音だけって、分かるもの?それが良いか悪いか。」

辻本「そう、そういうのよ、みんな。相対的なものだからって。でもね、楽器に対しての、この(ピンポイントな)音程、というものがあるのよ。だから、そういう意味で、分かる。」

朴「楽器にハマっているかどうか、ってことよね。それは確かにある。(外す時って結局ミクロ単位の話で、楽器にハマってない音っていうのは外れたっていう感覚があるものです)」

音程とヴィヴラートの旅

辻本「録音しないと、信じれないようになっていた時期もあったかな。当時はMDだったのだけど、データがすぐにいっぱいになってたね。その後続けてヴィブラートの練習をして、、それはかなり上達したね。

朴「音と体と楽器の関係性を、改めて理解したってことになりますもんね。しかも一つ一つ。抜かりなく。」

辻本「ノラス先生の講習会があって。そこにヘルマーソンが来ていて。ヘルマーソンのレッスンを聴講したのね。その時、ヴィブラートについてレッスンされてて、

ヴィブラートっていうのは、(左手動かしながら)幅が大きくても、小さくてもどちらもヴィブラート、っていう。

そう言ってたのがすごい(身に)残っている。 こぅファ~っと来て。」

どうやら、その言葉が舞い降りた、降り注いだようです。

辻本「そこから、音程とヴィブラートの旅が始まった…」

朴「えぇぇ!なるほど。ヴィブラートって音程が揺れて出来るものだもんね。シンプルに。」

辻本「色んなヴァイオリニストの演奏も聴いて。ヴィブラートの音程の頂点がどこにあって、とか、(ヴィヴラートの波の)下の点がズレのあるるものとズレのないもの、の違いとかも聴くようになって。」

なぜかヴァイオリニストの、特にF.P.ツィマーマンや、S.ゴールドベルクの音を良く聴いてたそうです。

朴「クオリティ、質をあげるっていう緻密で長い作業ですね…そういうところ職人よね、極めている音楽家って。」

辻本「一つの音の中で幅が毎回違う幅になるよりも、絶対ズレないと(波形の高さが同じ)楽器の響き方が全然違う。」

朴「例えば、長い音の中で、ヴィブラートを変えたい時とかあるんですけど、例えば、最初はこの(狭めの)波形が欲しくて、その後ここからこういう波形…というか。」

辻本「当時、シューベルトのアルペジオーネソナタを練習してたのよね。例えば最初のパッセージ・・(歌って見せてくれる)

 ヴィヴラートってテンポとかリズムに合っていた方がいいのよ。例えばディミヌエンドをするとしたら、その幅、振幅は変えるけど、テンポの中で小さくしていく。 

そうすると、全然違う…ような気がした。 その時はそういう練習をしてたかな~。」

朴「一度相当細かく分析するって大事なんですね。そういう練習を続けると、例えば新しい曲をみる時、自然に出来るようになっていますか?いまだに細かい計画を立てて(ヴィブラートの幅を考えて作る、とか)いますか?」

現在の生活と練習

辻本「忙しくなると、どんどん手綱が緩んでくるっていうか。そういう時、今調子悪いな、という自覚が出て来たりすると、リセットする。」

朴「リセットというのは、その留学時代の練習、一音ずつ確かめるとかそういう練習に立ち戻りますか?」

辻本「自分をイチローに例えるのはとてもおこがましいのだけれど。。

 彼は常にフォームを変えるのよね。毎年変えるんやって。でも、イチローって山ほど打ってるし、最多安打とか結果を出しているから別に変えなくてもいいのよ。でも、『変える』のよね。もちろんイチローのことを知ってはいないんだけど、きっと、一つやり方を見つけてその方法を続けたとしても、体がなんとなく、それに対して、それじゃ上手くいかなくなる、というのを体が言ってくるというか…」

朴「体が、それじゃだめだよ、違う方向だよという風に教えてくれるっていう感じ?」

辻本「例えば、こうしたら、うまく行きます。という、一つ方法があってその方法を続けてても、あるレベルを超えれなくなる。人間ていうのは、堕落の動物やから。」

辻本さんが手で示された、成長曲線。

中「よく効く薬を飲んでも、それが段々効かなくなってくる感じね。」    (これわかりやすい!)

辻本「イチローがどうかはもちろんわからないけれど、同じ方法でも常に変化してないと、成長はないのかなと思う。」

朴「それ、問題点を体で感じて、意識的に変えていっている?例えば、ここを変えよう。ここを変えていく、という自覚を持って意識的に操作してる?」

辻本「良いと思ってた方法が突然使えなくなるってあるんよね。よく、恵菜に言うてるけど、『あれ、失ったわ』って。」

朴「相方の太郎さんは、それ、ブームって言いますね。逆に。笑」

辻本「やっぱり何か追い求めていないと、維持もできひん気がする。追い求めてようやく、維持出来る。」

この言葉が出て、満足気な辻本さん。笑

辻本さんのお話がずいぶん長くなってしまったので!!ようやく中さんのお話へ…

恵菜さんのベルリン留学生活

朴「玲さんのように、先生の助言や何か教えが、響いていることってある?」

中「私がベルリンでついていた、キュスナー先生(ベルリンフィルのヴィオラ奏者でもあります)は、No friends とかじゃなく…細かいこととか神経質にはあまりおっしゃらなかったかなぁ。私自身が細いところが気になってしまうタイプなので、大まかに言ってくれて、わりと自分のやってる方向性がわかるレッスンでした。今、ここが足りなかったんだな。とか。」

辻本「大丈夫か大丈夫じゃないかだけ、教えてくれる感じやな。」

中「わりと簡潔でした。」

辻本「ノラス先生も、言うこと自体はそんな、厳しいことじゃなかったんやで。

最初の頃、足の角度注意されたことがあって。外向きじゃなく、まっすぐ向けてと。どういう深い理由があるんかなと思ったのよ。深読みしてたら、

いや、それみっともないから。。って!」

朴「あ、そんなレッスンもあったんや!ちょっと安心・・」

辻本「お客様に足のサイズを見せなくて良い、って、そういう理由やったこともある。言ってることは、正直…破茶滅茶やねん。でも、弾いてくれると、音がさ、おぉおぉおぉ!!って。

刺激とか、音のパワーというかそれが凄かった、ノラスは。」

また中さんのお話が飛んでしまったので!

朴「留学中の、思い出に残ってるエピソードとかありますか?」

(私もベルリンにおりましたが、恵菜ちゃんもベルリンにいたんですよね。当時はカフェとか、時たま時間が合えば、会ったりしておりました!)

留学当初、一緒に遊びに行った音楽祭 左は赤坂智子さん。

中「先生がベルリンフィルで弾いてたこともあって、毎週くらいベルリン・フィルの演奏会に簡単にいけたことは、財産だったと思います。先生が、今日来る?みたいな感じで招待してくれたり。」

(ベルリンフィルのメンバーの方が持っているチケット、というのがあるのかないのかなのですが。特別席があるんです。 私のヴァイオリンの先生もベルリンフィルで弾いておられたので、たまにそこの特別席の招待券をもらったりしました。贅沢なお話です~)

中「日本ではそういった経験はできないし、すごく貴重でした。。」

辻本「ベルリンフィルって、オケの深み、表現の幅が半端なくて。オケを好きになったのは、あの時やと思う。」

中「熱量がすごいですもんね。音符が直に届いてくるというか。

ベルリンフィルのホールもすごいですよね。遠く座っていても、近くに感じるというか。あの建物、日本に欲しいなと思いました。」

ベルリン・フィルハーモニーのホール

朴「札幌のKitaraホールや、ミューザ川崎が近いんですよね。確か。でもあの響きと似たホールは少ないですね。」

中「あぁいった感じの、舞台とお客さんの一体感が欲しいですね。」

ベートーヴェンのカルテット

朴「中さんは、アマービレ・カルテットでも大活躍ですが、今年からベートーヴェン全曲シリーズが王子ホールで始まったんですよね。カルテット奏者にとってベートーヴェンって特別だし、ベートーヴェンについて、今何か感じることありますか?」

3月宗次ホール公演終演後の写真

中「実は最近オーケストラでも演奏の機会が増えてきて。(中さんは現在、新日本フィルハーモニー契約首席奏者としても活躍されています!)ベートーヴェンの交響曲を弾いていると、カルテットだ、、!カルテットそのものだ、と思うことが多くて。時代によって変わる作曲法も、カルテットと同じ足取りで、変化していってて。

 元々カルテットから見てた景色だったから。カルテットの方が基礎の部分というか。ベートーヴェンのすべての要素が、カルテットの16曲に詰まっているんだなと改めて思いました。

交響曲と弦楽四重奏、どちらも弾いて見えるものはあるなと思っています。

 初期から後期まですべてのカルテットレパートリーをできるというのは、本当にありがたいことです。これから、交響曲弾くにしても、どんなものを弾くにしても、これが核になっていくのかな、と思っています。」

朴「そこから全て派生してますもんね。ベートーヴェンのカルテットを勉強しなかった作曲家はいないと言われるほど。」

中「初期、中期、後期、と全然違うんですよね。一番ぎゅっと凝縮されたものだなと感じます。ベートーヴェンが特別な思いが、カルテットにかけられていたのだと思うし・・」

辻本「第九も後期やけど、カルテットの後期の世界の方がもっともっと難しいと思う。」

中「やっぱりでも、第九カルテットと似てる。すごい似てるところある。作品132も似てるところある。」

第九は作品135、カルテット作品132との類似性がいくつかありますよね。

朴「2、3月にアマービレも演奏するし、私たちの京都弦楽四重奏団も今取り組んでいる、11番のカルテットは中期に当たりますが、それでも、例えば2楽章なんかは、すでに難解だなと思う。迷宮入りするギリギリのところを行ってるな、と思うことがあるんですよね。」

中「例えば、あれはテンポ設定がすごく難しいと思う。」

朴「Allegretto non troppoだよね、表示からして、曖昧なんですよね。にごしてくる。」

中「一楽章がAllegro con brio で二楽章がAllegretto non troppo ,,相対的に見ても、テンポ設定が、決めかねますよね。

©︎T.Tairadate

アマービレはわりと最初にどんなテンポにするか話すことが多いかな。」

朴「例えば、ユニゾンで始まったりすると息遣いでテンポが確定してないといけなかったり、一人がテンポ牛耳って出ることもあるもんね。アマービレはみんなで、そして最初に、決めてるんですね。」

中「もちろん歩むうちに違うテンポになることはあっても、なんとなく、最初のリハーサル、最初弾き出す時に、どのテンポで行く?っていうのは、話すことが多いです。各自で先人たちのカルテット録音を聴いて…」

朴「どの録音を聴いているか聞いても良いですか?」

中「レナー、ブダペスト、バリリ、アマデウス、ジュリアード、東京カルテット。。いろいろなところを聴いて、教えてもらってます。大体、それらはズレてないんですよね。例えば、すごく速いなと思ったら、その速いテンポから、相対的にあっているんですよね。遅いテンポなら、そのテンポから流れがちゃんと合っている。釣り合いをとっているんだなと思います。」

朴「そう、それ本当に不思議なんだけど、グループの中でね、解釈があってその方向性が合っていて、尚且つテンポ感が全体的に合致していたら、どんなテンポで弾いていても説得力はあるんですよね。」

中「ベートーヴェンのテンポマーキングにももちろん気を配りますけど、そのテンポ表示も不確かなものも多いと言われてるので…いろんな角度から話合います。」

朴「でも、最初弾く前に決めたテンポから必ず変わってくるよね。」

中「そうなんです。あと、年齢もあるなと思います。セリオーソなんかは、その先人たちの演奏で、遅いものって、凄く遅く感じるんです。あのテンポでは、なかなか弾けないんですよね。もちろん昔の人でも速く弾いてる人もいるんですけど。今の自分たちは、スタイリッシュを求められているのか、どうしても、テンポが自ずと決まってくる、それがそこまで遅くないっていうのがあります。」

朴「私たちの中に生きているテンポってありますよね。」

中「曲の中で’ちぐはぐ’だと、長く感じてしまうし、4人で合わせないといけないし。まぁそれはベートーヴェンに限らずなんですが、特にベートーヴェンは構成がきっちりしている分気をつけます。」

朴「後期もレパートリーありますか?(2月・3月のコンサートツアーでは、Op.18-3, Op.59-1, Op95の中期までの三曲でした)」

中「今までで132をアマービレでやったことがあります。127は私は弾いたことがあるんですが、アマービレでの経験はないし…後期は正直まだまだですね。だから、これからどんな出会いがあるのか、楽しみですね。」

朴「後期全てを弾いたら、音楽のみならず、人生の価値観とか変わりそう。」

中「今取り組んでいる、Op.18-3, Op.59-1, Op.95 ってそれだけでも全然違うので、音の数も、構成の難易度も、アンサンブルの要素も…この進化を共に楽しんでいる感覚あります。」

朴「ベートーヴェンの成長の脱皮って明らかで、面白い点ですよね。」

中「年に1回、6年かけてやるんですが、年に1回そうやって取り組めるのは嬉しいです。」

ヴィオラ奏者のアンサンブル

朴「室内楽奏者として、ヴィオラ奏者としてお伺いしたいのですが、アマービレ・カルテットという活動の他に、沢山の人と弾かれる機会が多い恵菜さんですが、こう、他の人と弾く時に心がけている、どういう心構えで弾いてらっしゃいますか? ヴィオラ奏者は間に入ることが多いので、ちょっとそういうのも聞いてみたいなと思いました。」

中「のびのびできることも、ある。かなと思います。」

辻本「うまくいくところと、うまくいかないところが、違うんじゃないの?」

中「そうそう、それはそう。その人息の感じとか、例えばアマービレでやっている時は、もう慣れているので、きっとそれは、いい意味でも悪い意味でも、どこで来るのかがわかるんですよ。で、大体そこだから『合う』んですよね。

 全然違う感じの人と弾くと…あぁ!そういう時間の使い方があるんだ、と新鮮に感じます。特に同じ曲を違う人とやったりすると。 後はバランス感覚も、全然違ったりしますね。この人と弾く時はこういうバランスで自分がいるべきなのかな、とか。」

朴「恵菜ちゃん、バランス感覚良さそう。(本当に、優しい人なんですよ。気をよく遣うというか…なので、そう思いました!)」

中「アマービレでは結構弾かないと埋もれちゃう、から割と弾かないといけない、かな。」

朴「メンバーの音がよく通るのかもしれないね。」

中「だから、他の人と弾く時は、ある意味で新しい感覚掴むように、ワクワクした感じで弾きます。自分の新しい引き出しを見つける、そんな感覚です。」

銘器・モンタニアーナ

朴「今イエローエンジェルから、銘器モンタニアーナを使用されていますよね。どうですか?」

中「最近やっと、この1年くらいでまた違う感じになってきたかなと思います。」

朴「オールドはやっぱり会話が、奥深いというか?ありますか?」

中「日によって気分が違うというか、反応が違うので、結構気を遣います。今日、特にご機嫌ななめだなって。ケアしてあげないといけない。でも良い時は、本当に素晴らしい音を出してくれる。音色も、古いし…」

朴「この1年、弾くこともすごい増えたかな?めぐなちゃん。よく宣伝も見かけるし、このパンデミックで移動が少なくなったんじゃない?」

中「それはありますね。確かに、久しぶりに日本に据え置いて活動しました。楽器も落ち着いたっていうのはあるのかもしれない。」

練習の話、アンサンブルの話、楽器の話、などしてきましたが、時間も迫ってきたので、ここまでとなりました。

インタビューするのも楽しかったです…編集後記

 もっともっと、永遠とお話しできそうだったのですが😭1時間半くらいお話しさせていただき、流石に記事にまとめきれないと、お開きになりました。二人のかけ合いが本当に面白くて、これが伝わっていたら良いなと思うのですが…終始笑いに満ち溢れていました。インタビュー聞き返しても笑ってしまう、辻本さんのおとぼけぶりは、今度の25日、舞台でも話していただきたいなと思います。 大阪人だからか、そのセンスは、抜群で…今までに出会ったことない類のギャグを連発してきます。

貴重なお話し、言葉に、改めて二人の歩んできた道、勉強されてきたその意思などを感じ、今のお二人の実力と信頼があるんだなと思います。お二人の説得力ある音、これからの成長、とても楽しみですね。

3月のコンサート、目白押しです

直前となってしまいましたが、以下のコンサートも待っています!ご都合合う方がいらっしゃればぜひとも聴いてくださいね!

3月20日(土)は中恵菜さん リサイタル in 東京 白寿ホール !!

こちらのコンサート私もお伺いさせていただく予定です。

3月23日(火)辻本玲さんリサイタル、in大阪 フェニックスホール!! 

3月27日(土)辻本玲さんリサイタル、in東京トッパンホール!!

2021年3月25日は京都府民ホールALTI!

メンバー一同お待ちしております!

たくさんの貴重な話をしてくださって本当にありがとうございました。

いらしてくださるお客様、どうかお気をつけていらしてください!

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