Special chamber concert vol.4出演者にインタビュー!

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2018年12月19日 JTホールにてジュリアン・ジュルネのリサイタルに二人が賛助出演したとき。楽屋と打ち上げにて、お話を聞かせて頂きました。

©村川荘兵衛

演奏後のお三方です

宮田 大さん

今やクラシック界では言わずと知れた大人気のチェリスト。京都弦楽四重奏団の植村太郎と大さんはジュピター・クァルテットで6年共に弾いておりました。

植村 「大ちゃんに何聞こうね?笑」 

普段の会話から始まりました(本番前の控室にて。私ぱくは不在でした)

植村 「京都のコンサートに出てくれるきっかけは、もちろんうちらがジュピタークァルテットやってたことがあるんだけど。」

宮田 「そう。少し離れてて、またドッペルコンチェルトとか一緒に弾いたり、っていうのがあるよね」

植村 「大ちゃんすっごい大活躍だけど。今練習とかどうしてる?本当にたくさんコンサートとかあるでしょ」

宮田 「いや~だから。(頭かきながら)え、逆にどうしてる?」

植村 「笑 (インタビューしてるのに、聞き返されてる)」

宮田 「だって太郎くん、昨日も一昨日も、オーケストラのリハやって合わせして、こっちの本番もやってきてるから」

植村 「昨日帰ってから、夜中1時半くらいまで家で練習してた」

宮田 「それ防音のない所で、でしょう!?(植村宅には防音室がありません)。よく苦情言われないよね。笑」

植村 「うん、雨がいっぱい降ってたから」(そういう問題ではないと思うのですが、雨の音の方が大きいので、そんな日は練習しても怒られない、という植村論)

宮田 「でも、あれだよね。今がベストと思ってやるしかないよね。もっと練習したらもっともっと良く弾けるかもしれないけど、これを受け入れるしかないっていうか」

植村 「それすごいね。今がベストと思うって。昔さ、大ちゃんのどっかに書いてたよね。今を生きる!って。あれ、いいなと思ってたよ~」

宮田 「一期一会って言葉、結構好きなんだよね。それをするしかないっていうか。それって同時に妥協にもなるんだけど。言い訳にも聞こえたりする。でもね。」

植村 「今度演奏する、府民ホール・アルティってよく弾いてる?」

宮田 「初めて!」  ≪宮田さんがアルティにいらっしゃるのは、6月15日が初めてだそうで、その初めての舞台にご一緒できるのは私達にとっても嬉しいですね!≫

植村 「へぇ!そうなんだ。すごく、音響良いよ。よく響くし、チェロにとっても、いいと思う。シューベルトの弦楽五重奏は、結構やってるよね?」

宮田 「うん、ずいぶん何度も。」

植村「あの曲は、どんなところが好き?」

宮田 「昔、ゆっくりな2楽章とかあんまり好きじゃなかったの。でもこの間、ミケランジェロ・クァルテットと一緒に弾いて。自分の師匠でもあるヘルメルソンと。」

植村 「やってたね~!!2nd チェロひいたの?

宮田「ううん、1stチェロ弾いたの」

植村 「あ、先生がセカンド弾いたんだ!!あのピッチカート」 

宮田 「そうそう」 

→二人が笑うこの部分は、二楽章のテーマ。セカンドチェロと、ファーストヴァイオリンがたった二つのピッチカートで親密に会話する様子です。

宮田 「なんかね、五感を感じた瞬間だった。この音楽だけじゃなく、色んなものを感じたから。自分の中で、好きな曲だなって思ってる。」

植村 「今度一緒に弾く結ちゃんは?」

宮田 「結ちゃんはね、東京チェロアンサンブルで何度も弾いてるよ。大好きなチェリストの一人で、チェロ同士って、チェロアンサンブル以外で一緒に弾ける機会ってないんだよね。だからすごく嬉しい。ヴァイオリンだったらね、1st, 2ndって一緒に弾ける機会あるけどね。」

植村 「そっか。確かに。でも、僕もまただいちゃんと弾けるのは嬉しいよ。」

ここで時間ぎれとなり、演奏会が始まりましたので、演奏会後に続きを。

打ち上げのひとこま

ここから私、ぱくも参戦して、聞きたいことを聞いてきました!

朴 「大ちゃんにとって、チェロはどんな存在ですか?」

宮田 「最近思うのは、言葉で何かゼロか100か伝えるのが自分はすごくこわかった人だった。今もそうかもしれない。言ってしまうと、全部伝わってしまうから。でも反対に伝えたいけど、(言葉だと)伝えきれないっていうのも嫌だし。それが音楽だと、フルに自分の言葉を伝えられるような感じはあるかなと思う」

朴 「自分を表現できるすべてのものが、チェロ。なんですね」

植村 「泣けちゃうね。それ」

宮田 「小さな形容的な言葉とか、どういうふうに悲しいかとか、何があったからこういう風なことになったかっていうのは、チェロの方が言いやすい。」

植村 「良い答えだね!本当にいい答えだ。それ。」


宮田さんがおっしゃるこの言葉を聞き、宮田さんのチェロを思い返すと、温かさとか、愛情とか、感謝の気持ち。そういった言葉が音楽からあふれるように出てるんだと、納得しました。激しい何かという部分もあるんだろうけど、普遍的で日常的な言葉を音楽に乗せられている気がしました。そういうのが音楽から伝わってきます。

朴 「あともう一つ、聞きたかったこと。今までで、音楽で救われた経験ってありますか?励まされたこととか」

宮田 「例えば、おじいちゃんが亡くなったときにね。悲しかったんだけど、受け入れられてるのか、受け入れられてないのか、自分の中でよくわからなくて。で、うわ~って泣くことはなかったんだ。だけど、音楽をして、ドボルザークの3楽章の最後とか弾いた時に、その感情がふっと思い出されて弾いた時に、より一層感動したんだよね。感情が激しく動いたの。それは、おじいちゃんが亡くなって悲しかったんだけど、どこかで感情が抑圧されてて、マイナスの状態に行ってたのが、ゼロに戻った瞬間ともいえるかもしれないし、もしかしたら高ぶったのかもしれない。どっちかはわからないんだけど」

植村 「なるほどね。音楽が、現実を受け止める手段でもあるんだね」

宮田 「そう、おじいちゃんは、初めて人が死んだっていうのを知ったときだった。」

朴 「感情とか意識では、自分で理解しきれなかったものが、音楽から理解できた時だったんですね。」

植村 「演奏するときさ、誰かのことを突然思い出したり、誰かがこう言ってた、っていうのを思い出されるときあるよね。昔おじいちゃんが言ってた。とかさ。」

宮田 「景色とかね。」

植村 「なんか不思議体験とかあるの?」

宮田 「ブリテンのカルテット一緒に弾いてた時にもあったでしょ、音が聞こえなくなる。昔さ、よく話してたじゃん。トランスの状態に入る。とか」

植村 「音の領域を超えたところだね。もっと深い精神状態になったときにね」

宮田 「無重力状態っていうか、わからなくなる。ロストロの時のガラコンサートの時、母親はいつも後ろの方で聴いているんだけど、その時は4列目くらいで。初めてそんな前で聴いたと。演奏後、その姿みて拍手もらった時時間が止まった気がした。ほんとね、映画みたいな感じだった。」

植村 「時空を超えた瞬間だね。」

朴  「悩みとか、ありますか?音楽の上で」

宮田 「たまにね、自分がこれは良かったんじゃないかと思っても、人にはそこまで伝わってなかったり、逆に自分は全然ダメだったなと思っても、よかったと言われることがある。誤差が。」

植村 「自分には厳しかったりするしね」

宮田 「そうだね~。そうじゃなきゃ伸びないしね。そういうもんだね」

朴 「とっても良かった時はどういう感覚ですか?」

宮田 「よかったときはね、自分がどういう演奏したか正直覚えてない。」

植村 「意識の中ではやってないんだよね、頭で考えてないっていう」

宮田 「よく、緊張するんですかって聞かれるんだけど、緊張する時って後追いでやってるんだよね。練習したものとかを、記憶で後追いしながら、弾いていると、『あ、ここまた弾けるのかな』て思っちゃったり」

植村 「うまくいったときは、そうじゃない?」

宮田 「うん、まぁうまくいくって、自己満の世界だよね。誰がどう言おうと、自分の中で挑戦できたかどうか。一本踏み込めたかとか、そういうことだから」

朴 「わかるような気がします。それでもうまくいったって思う本番が多くありたいと願ってしまうけれど」

植村 「京都のコンサートどうする?どんななるだろうね」

宮田 「うん、すごいたのしみだね!」

朴 「京都で、シューベルトの五重奏という名曲を、宮田さん、京都弦楽四重奏団と弾けるのはとても貴重です。よろしくお願い致します!」


インタビューしているのに、こちらが聞き返されたり、会話中も常に周りに気を配るすごく優しい宮田大さんでした。今が大事と笑顔で語る大さんにこちらも笑顔になる!会話のちょっとした時間、一瞬一瞬を大事にしてる、そんな感じがしました。いい人間関係・時間の作り方、、!私も理想とするところです。そんな大さんが放つ音楽と人柄で、シューベルト五重奏のリハーサルはすごく楽しく、自由に皆で討論し音楽を作り上げる貴重な時間となりました。

2019年6月15日土曜日、いよいよ3日です! チケットぴあも残りわずかとなっています。当日券は舞台横後方のみの販売の予定です。悪しからずご了承ください。

当日は気を付けてお越しくださいませ!

2019-06-12|
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